エレベーター
何もなかったように別れを告げて
エレベーターで降りてく
白衣の女は 無愛想でひょっとしたら昔
会ってたかもしれない このエレベーターで
もう何年前だろう 12月の風に
かじかみながら川越街道
操れるはずの 信号は今も点滅で
一緒に駆け抜けるはずだった バイクはもうない
受付でバッジを返して表へ出ると
生ぬるい風に気持ちが揺れた
さっきの七夕飾りの 黄色い短冊に
願い事のひとつくらい 書いても良かったのかと
拝啓 ご無沙汰
元気でいたさ
また逢えるなんて
意地悪な神様よ
また今度は何を
試すつもりか?
それなりに場数踏んでみんな
もう 弱くはないんだぜ
その昔 俺たちは
その昔 確かに 弱かった
エレベーターを待てずに
階段で独り
拝啓 ご無沙汰
元気でいたさ
また逢えるなんて
意地悪な神様よ
また今度は何を
試すつもりか?
それなりに場数踏んでみんな
もう 弱くはないんだぜ
何もなかったように別れを告げて
エレベーターで降りてく
白衣の女は 本当は親切だった
きっと何か、、、変えなきゃ このエレベーターから
(2017.7.12 up)