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傘と猫
たどり着けばそこが終わりじゃなくて まして雨降り
新宿の灯りににじむ路地を 傘がただすれ違う
理屈だけじゃ届かぬ事もあるから また黙ってた
新宿に忘れて来た優しさみたいなモノ 傘はただすれ違う
軒下の猫が 扉が開くのを狙ってる
扉が開けば馴染みの顔が並ぶよ うんざりするような
グラス重ねて開く夢に 包まれて 突かれて
置き去りの傘が
雨垂れを見上げ また誰かの影
一夜の夢に肩をすぼめた
傘も猫もいなくなった明け方 窓が白いよ
テーブルにこぼしたのは酒だけじゃなく そしてやがて乾くだろう
たどり着けばそこが終わりじゃなくて また始めるさ
新宿に忘れて来た優しさみたいなモノ 失くしちゃいないよ
（2015.3.2 up）