何もない世界

何もない世界

何もなかった頃の話さ月明かり海原に吹く風
この星に太陽が当たれば朝だ

父親は狩猟に出かけ母親は母乳を与え
子供らは生き抜くためにでかい声で泣いた

裸じゃまずいからやがて
小さな服みたいな物を
隠せば隠すほど
気になって仕方ないそして恋に堕ちた

何もなかった頃の話さ言葉もない名前さえもない
見つめ合い触れ合う事だけで愛情だ

春に二人でまいた種は夏の日にはしゃぐ水しぶき
秋風にやさしく抱かれそして冬が来る

一人じゃ寒いからいつも
寄り添い二人でいたいから
法律も戸籍も区役所もないけど
神様の下で永遠のキスをした

ところで現在はどうなんだろう？何でもある便利な時代さ
欲しけりゃ２４時間店は開いている

そういやぁ、何がしたいんだろ？本当は誰が好きなんだろ？
他人に聞く事でもないしパソコンは壊れた

気づけば夢の中僕は
裸足で土の上だった
光と風と時間しかなかった
携帯を握りしめ僕は途方に暮れてた

僕の名前を知りませんか
僕のカードは使えますか
僕に水をわけておくれよ
君の事本当は好きなんだ
えっ、僕だよ思い出してよ
何もない世界で僕は誰なんだろう？